古書資料目録229号発行しました

古書資料目録229号を発行致しました。
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秋になるとついつい菊や楓、イチョウなどをモチーフにしたくなるのですが、
毎年似た感じになりがちなので、今回の表紙は江戸の伝統文様、紗綾形で飾ってみました。
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これは「卍」を斜めに崩して連続文様にしたもので、
「卍崩し」「卍繋ぎ」または「雷文繋ぎ」「菱万字」などとも呼ばれています。
桃山・江戸時代に紗綾織(地が平組織で、文様が縦の四枚綾の絹織物)が明から輸入され、
地文様として使われたので紗綾形と呼ばれるようになりました。
江戸時代には綸子の地文はほとんどが紗綾形で、これに菊・蘭などをあしらったものが
紗綾形綸子として非常に多く行われていました。吉祥文様とされ、
昔は女性の慶事礼装用の白襟には紗綾形が使われるものと決まっていたようです。
現代でも、絹織物や陶磁器、組子障子・欄間・衝立など建築の和風装飾にも良く用いられており、
また時代劇のいわゆる「お白州」の場面で目にすることも多いですね。
この伝統的な和文様紗綾形を、まだ早いですが黄葉をイメージした明るい黄色で彩り、
真中には紫色の題簽で、秋の襲の色目「移菊」を表現してみました。
季節感を出しつつ、色やデザインが重ならないようにと、毎号頭を悩ませつつ表紙を作成しております。
新しい目録を手に取る瞬間、目に入る表紙も少しだけ楽しんでいただけたら幸いでございます。
(真壁)