話芸

どこか車で遠方へ行くことがあると、決まって古今亭志ん朝のCDを持っていき聞いています。
1人でニヤニヤ笑いながらの運転はさぞ周りから奇妙なことと映っていることでしょうが、
長時間の運転を気分的に短くしてくれるこれがないと運転に疲れてしまう、最近そんな気がしています。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上 [DVD] 落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上 [DVD]
(2008/03/26)
古今亭志ん朝

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古典落語を聞いていると、
『火焔太鼓』にはいつも損ばかりして妻に怒られている古道具屋と骨董品が好きで目の肥えたお殿様
『茶金』(『はてなの茶碗』)には一つ首をかしげると100両の値が上がったとされる目利き茶道具商、茶屋金兵衛
『品川心中』には花魁から心中相手に勝手に決められてしまった貸本屋
『抜け雀』には親に勘当されぼろぼろの汚れた格好で流浪する狩野派の絵師
などなど我々の業界にも関係するような多彩な人物がよく出てきます。
私は古書部におりますので、浮世絵や本の挿絵などから往時の風景を感じることができます。
ただなかなか当時の市井の人たちの心の中までは感じることができません。
(本の本文も読めと言われればそれまでですが…)
しかし古典落語を聞くことを足がかりに想像を膨らませ、当時の人々の感情、
ものの見方などを少し掴むことができるような気がします。
こういった感じ方も江戸時代から続く話芸の醍醐味の一つではないでしょうか。
ちなみにこれらの噺に出てくる道具屋の主人は噺の筋上、
ややのんびりしたお気楽な人物像で出てくることが多いです。
(志ん朝にも枕で「世の中ついでに生きている」なんて言われてしまっています…)
しかし現状は弊社に限らないと思いますが、みな独楽鼠のように働いております。
いらっしゃらないとは思いますが、落語を聞いてこんなのんびりとした商売ならやってみたいなあ、
なんて努々お思いになりませんよう…。
私が落語に興味を持った時、志ん朝は既に泉下の人。
聞き始めてからずっと高座の映像が見たいと思っており、
願いが通じたのか数年前垂涎のDVDBOXが発売されました。
上下二巻(二つ合わせて定価6万円以上!)、なけなしの小遣いを貯め、半年かけて2巻購入いたしました。

落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD] 落語研究会 古今亭志ん朝 全集 下 [DVD]
(2008/10/01)
古今亭志ん朝

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(阿部)