萩を愛でる。

8月よりも暑い日がつづいていますが、
夜にはさすがに虫の音も聞こえ、涼やかになってきたような気がします。
今年は暑さでじゃっかん遅れそうな感じもありますが、
9月の京都では、秋を代表する花が、街をいろどります。
「秋の草」と書いて萩。
この漢字は実は中国にはなく、日本で発明された文字なのだそうです。
それだけ、日本の秋を代表する花だったということでしょう。

もともと野草であり、マメ科で繁殖力も強い萩は、
いろいろなところで見られますが、
京都でとなれば、二つの場所を外すことはできません。
出町柳駅前の常林寺と、御所の東の梨木神社です。


今出川通から少しだけ北に上がったところにある常林寺は、
かの勝海舟も定宿にしたと言われるところです。
毎年9月中旬の日曜日、萩供養が営まれるというほど、
萩には縁の深いお寺。
決して広くはない境内に、萩が咲き乱れる光景は、まさに圧巻です。
萩が咲き終わったあとには、いっせいに刈り取られて
また翌年を待つのも、実に潔い感じがします。
一方の梨木神社は、常林寺より歩いて10分ほど、
御所を守るように隣接しています。
幕末から明治維新に活躍した、
三条実萬三条実美の親子を祀っている神社として知られます。
実美は京都御所を廃止すべからずと主張した人物としても知られ、
現在の京都の繁栄があるのは、もしかしたら彼のおかげなのかもしれません。
梨木神社の萩は、拝殿へと続く道の左右に、整然と植えられています。
梨木神社の前、寺町通をはさんでは、
紫式部が源氏物語を執筆したとされる、桔梗の名所「廬山寺」があります。
秋の七草に数えられるもうひとつの花を愛でることができるのも、また一興です。
(岸本)