一竹辻が花の世界

「辻が花染め」は、室町中期から桃山時代に栄えた絞り染めの小袖です。
もとは庶民の小袖から始まったと言われていますが、
のちに武家に愛され、高級品として一世を風靡しました。
染色家・久保田一竹が「辻が花染め」に出会ったのは20才のとき。
東京国立博物館で室町時代の小裂の美しさに魅了され、
現代に息づく染色としての、独自の「辻が花」の製作に心血を注ぎました。
山梨県の富士河口湖町にある久保田一竹美術館では現在、
彼の代表作として名高い連作「光響」を展示しています。
これは一竹及び一竹工房のライフワークであり、
四季おりおりの雄大な景色と宇宙とを、
80枚の着物の上に表現することが最終目標とされています。
どの一枚をとってもまるで絵画のような美しさですが、
ピラミッド型の本館の内部に
それらがぐるりと巡らされた光景はまさに圧巻です。
天気がよければ、美術館からは美しい富士山と河口湖が望めます。
観覧に疲れたときは、本館に併設された茶房「一竹庵」で、
龍門の滝をながめながらお抹茶と手作りぜんざいをいただくのもおすすめです。
(蒲)