タイショウ・ショウワキノニホンセイジトコクサイチツジョ

大正・昭和期の日本政治と国際秩序

転換期における「未発の可能性」をめぐって

武田知己・萩原稔 編

  • 体裁
    A5判上製・392頁
  • 刊行年月
    2014年01月
  • ISBN
    978-4-7842-1717-5

内容

 大正・昭和期の日本にはいかなる選択肢があったのか。選ばれなかった選択肢は今に何を示唆するのか。
 転換期の日本の対外認識や秩序像、政治構想や経済構想、そして中国イメージをめぐり、史料に基づく実証を通じて、新たな解釈や時代像を提示する共同研究論集。
 〈「転換期」の日本の国際認識〉〈「転換期」の構想と現実〉〈中国認識の諸相〉という三部構成で、大東文化大学国際比較政治研究所に集まった気鋭の研究者11名が、日本の近・ 現代史がはらんでいた「未発の可能性」を掘り起こし、今後の日本および世界を展望する。

目次

総 論 武田知己・萩原 稔

Ⅰ 「転換期」日本の国際認識

第1章 近代日本の「新秩序」構想の〈新しさ〉と〈正しさ〉
―国際法・外交専門誌と外務省調書を題材として 武田知己
第2章 「国際主義者」という名の新渡戸稲造のイメージと実相 五味俊樹
第3章 一九二〇年代『外交時報』にみる日本知識人の対外認識―半沢玉城と末広重雄を中心に 伊藤信哉
第4章 戦間期のアジア・ブロック論に関する一考察
―土田杏村の「大アジア経済ブロック」構想を中心に 大木康充

Ⅱ 「転換期」の構想と現実

第5章 民衆の時代と実業精神―武藤山治の経済合理主義と自由主義的政治論 和田 守
第6章 日米関係と『実業之日本』―帝国実業の振興と実業国民の建設 佐賀香織
第7章 第一次大戦後の世界秩序と日本の「改造」―改造同盟とその周辺 神谷昌史
第8章 三宅雪嶺における「哲学」と「時論」のあいだ―昭和期の言説を中心に 長妻三佐雄

Ⅲ 中国認識の諸相

第9章 近代日本における中国認識の一側面―辛亥革命期における「五族共和」論への関心を中心に 萩原 稔
第10章 東亜同文書院の「未発の可能性」について 武井義和
第11章 長野朗の外事評論 西谷紀子


あとがき
索引(人名・事項)
執筆者紹介

紹介媒体

  • 『Ai』vol.110

    2014年6月

    作品紹介

  • 『日本歴史』811号

    2015年12月1日

    熊本史雄

    書評と紹介

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