中国文人画家の近代
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中国文人画家の近代

豊子愷の西洋美術受容と日本

西槇偉 著

  • 体裁
    A5判・384頁
  • 刊行年月
    2005年04月
  • ISBN
    4784212302

日本図書館協会選定図書
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内容

中国近代を代表する文人・芸術家、豊子愷(Feng Zi-kai,1898-1975)は、民国期から人民共和国期まで世相人情を反映する抒情漫画や、随筆の名手として身辺雑事から文学・美術・音楽などを題材に軽妙な語り口の散文を遺した。芸術教育者としてその著作は教科書の編纂から美術史・音楽史の知識普及や研究にまで及ぶ。晩年にはロシア文学や『源氏物語』など日本古典文学の翻訳もなしとげた。まさに近代中国のマルチタレントである。本書では「中国」「日本」「西洋」という三つの視点を設けることにより、豊子愷が日本を通して西洋美術を受容したことの意義を問うと同時に、「文化の越境者」豊子愷の本質に迫り、20世紀日中知的交流の軌跡を検証する。

目次

口絵4頁(カラー・モノクロ各2頁)

はじめに―豊子愷を三点測量する

序 章 民国初期の西洋美術受容と李叔同
 画家修業に専念しなかった日本留学/白馬会展出品と卒業制作の《自画像》/中国初の裸体モデル使用/「書」と「洋画」

第1章 西洋美術受容の高潮期
 「臨*」と「写実」/一九二〇年前後の中国美術界/十ヶ月間の日本滞在/画家へのもう一つの道/劉海粟と裸体美術論争/豊子愷と裸体美術

第2章 「労働」「子ども」「宗教」を描く画家――豊子愷とミレー
 李叔同・夏丐尊・豊子愷とミレー/「農民文化」ミレーに学ぶ/「子ども」の発見/宗教の画家として

第3章 ゴッホは文人画家か――豊子愷と黒田重太郎
 『谷訶生活』と『ワ〝ン・ゴオグ』/「人品すでに高ければ」--生得の天才ゴッホ/「孤高」のイメージと商業主義への嫌悪/ゴッホ作品の主観性/ゴッホの文学嗜好/ゴッホのジャポニスム/西洋の裡なる東洋としてのゴッホ

第4章 ゴッホ作品を通しての伝統再発見
 ゴッホとミレー/筆線の変質/文人画法による「肖像画」/文人的「静物画」の誕生/ゴッホ作品を通しての伝統再発見

第5章 豊子愷と竹久夢二
 『夢二画集』との出会い/文人性の共鳴/東洋の筆致、西洋の構図/日常的な画題の発見

第6章 豊子愷と北澤楽天
 残忍相、悲惨相、醜悪相へのまなざし/世態人情漫画/金言、警句、諺、古詩を画題に/戦時相を描く/ストーリー漫画の出現/描かれなかった「時事」「エログロ」漫画/豊子愷が見た日本漫画

第7章 豊子愷が見た西洋近代画家
芸術と品格
  『近代芸術綱要』と『近代芸術概論』/「想像的創造」の化身ドラクロワ、近代芸術の偉大なる促進者ミレー/反伝統・反模倣・「革命の人」クールベ/「変人」ドガ/隠者セザンヌ/禅僧ゴッホ/商業主義への嫌悪感
仏教的、東洋的価値観
 セザンヌとゴッホの「物心一如」/「秀でたる原始人」ゴーギャン/東洋と西洋の間で
テキストの差異
 ルノワール評価/西洋絵画に影響を与える東洋

第8章 豊子愷の中国美術優位論
 現代芸術における中国芸術の勝利/中国美術優位論と日本/文人画と表現主義/大村西崖と陳師會/中国美術優位論への同調/反文人画の声/伝統回帰する画家たち/美術優位論と日中のナショナリズム

第9章 中国文人画の近代化
 『芥子園画伝』再発見/「額縁」に収められた文人画モチーフ/イメージの連鎖/視点の変化/伝統モチーフの再生

終 章 中国文人の西洋美術受容
文芸観における東と西
 道徳、思想、政治に仕える文芸/東西の表現主義
伝統をいかに変えるか
 書と画/伝統回帰へ向かう力


あとがき
索引
図版典拠一覧
参考文献
中国・日本近代美術年表

紹介媒体

  • 熊本日日新聞

    2005年6月16日

    平川祐弘

  • 熊本日日新聞

    2005年8月23日

    著者インタビュー

  • 日本比較文学会九州支部会報第18号

    2005年8月1日

    後小路雅弘

  • 比較文学研究 86号

    2005年11月7日

    呉咏梅

  • 東方(東方書店)304

    2006年6月5日

    楊暁文

  • 現代中国80号(日本現代中国学会)

    200年

    小川利康

  • 比較文学 49号

    2007年3月31日

    戦暁梅

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