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著者・編者略歴

(うみはら・とおる)・・・京都大学名誉教授

内容

近世にあって最も魅力的な学校である私塾を理解するには、私塾と対置される官・公立学校、その登場を育んだ広範な寺子屋的底辺を解明することが必要とする著者が、士庶の教育の相異、就学率、学費、遊学、女子教育、教育統制などあらゆる角度から”近世の学校”を照射し、その教育観を鮮明に浮かび上がらせてくれる。(初版1988年)

目次

第一章 サムライ学校の就学強制
 なぜ就学を強制したのか/強制の主対象/怠学者を取締まる/生徒数からみた就学の実態

第二章 士庶共学―門戸開放の実態
 近世初頭の士庶混淆/教育対象の厳密化―士庶別学/門戸開放はどこまで行われたか

第三章 遊学―学習者中心の勉学
 遊学の制度化/遊学修行の場所/学習者自身によるカリキュラム構成

第四章 世襲制と能力主義
 「競争原理」を導入する/試験の工夫/テスト至上主義の弊害

第五章 教育費は誰が負担したのか
 恩・忠理念に支えられた無償制/学費納入のセレモニー化/最も学費の高い学校、安い学校/学費はどれだけ必要だったのか

第六章 公権力の教育統制
 サムライ学校の正学主義/庶民教化―良民の育成/私学政策の貧困

第七章 三従七去主義の教育
 家に隷属する女性/女らしさの教育/女性はどこで学んだか/最も教養の高かった女性は

第八章 近世庶民のリテラシイ
 寺子屋教育の発達/生活現実に根ざした教育/就学率を推計する/寺子屋教育とは何であったのか

あとがき/索引(人名・事項)

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