著者・編者略歴

こにし・みずえ・・・1942年三重県生。1967年京都大学文学部文学研究科修士過程修了(国史学専攻)、博士(文学)。昭和薬科大学助手・講師を経て1980~2013年まで大阪樟蔭女子大学学芸学部講師・助教授・教授。

内容

都市とそこに生きた民衆、武士、悪党、女性、そしてキリスト教徒の姿を再検討し、これまでの理解とは異なった中世の社会を甦らせる。
前著『中世都市共同体の研究』に続く中世史研究の集大成。

■担当編集者より■
個人的にもっとも興味深かったのは「第三部 都市と女性・キリスト教」。
西洋では女性を抑圧していたキリスト教が、当時の日本では男性社会の抑圧から逃れる可能性をもったそうです(逆もまたしかり、日本で堕落していた仏教が、西洋ではキリスト教よりも高貴で寛容な哲学を持つものとして求められたというエピソード(小社刊『デンマーク人牧師がみた日本』)を思い出しました)。
女性の立場については、「抑圧され尊厳を奪われてきた」「いや実は地位も権力もあり自立した存在だった」等々、様々な議論がありますが、どこに目線を置くかによっても物事の評価は変わります。本書を一つの糧として、自分なりの考えを思索してみませんか。

目次

第一部 中世都市論―大山崎と堺を中心に―

第一章 都市大山崎の歴史的位置
    一 都市大山崎の学説史と問題点
    二 港湾都市大山崎についての諸問題
    三 大山崎・京都・淀
    四 中世都市から近世都市への変容

第二章 都市大山崎と散所
    一 散所についての研究史と問題点
    二 摂関家山崎散所と長者衆
    三 三浦家文書と宿長吏
 
第三章 中世都市の保について
    一 学説史と問題点
    二 宇治の番保について
    三 祇園社・松尾社の祭礼神事役と大政所保および北野社西京七保
    四 八幡宮大山崎神人と上下十一保

第四章 堺荘と西園寺家
    一 西園寺家とその所領
    二 南北朝時代における摂津国堺荘の支配関係


第二部 畿内近国の荘園と武士団

第一章 中世畿内における武士の存在形態―摂津渡辺党と河内水走氏、山城槇島氏・狛氏―
    一 武士論の問題点
    二 「中世における畿内の位置」と渡辺党
    三 河内国水走氏と供御人の存在形態
    四 山城槇島惣官と山城国人狛氏

第二章 悪党楠木正成のネットワーク
   一 得宗被官楠木正成
   二 正成が根拠地とした荘園
   三 楠木正成と平野将監

第三章 東大寺領播磨国大部荘についての一考察
    一 大部荘の開発と支配地域について
    二 荘園領主東大寺の支配の変遷
    三 大部荘の悪党について
    四 大部荘と水上交通


第三部 都市と女性・キリスト教

第一章 「鉢かづき」と販女(ひさめ)―女性史からみた御伽草子―
   一 日本中世史からみた御伽草子
   二 「鉢かづき」の物語と由来
   三 「鉢かづき」物語の誕生

第二章 中世都市の女性とジェンダー
    一 職人歌合にみえる都市の女性
    二 中世ヨーロッパの女性職人・商人
    三 女性の社会的地位の変化について

第三章 一六世紀の都市におけるキリシタン女性―日比屋モニカと細川ガラシャ―
    一 堺と日比屋モニカ
    二 大坂と細川ガラシャ
    三 女性史からみたガラシャとモニカ

第四章 埋もれた十字架―天正遣欧使節と黄金の十字架―
   一 黄金の十字架の発見
   二 栖雲寺蔵「伝虚空蔵菩薩画像」と有馬晴信
   三 島原の乱と黄金の十字架―おわりに―


あとがき
索引(人名/事項)

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