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近世大名のアーカイブズ資源研究

松代藩・真田家をめぐって

国文学研究資料館 編

  • 体裁
    A5判・408頁
  • 初版年月
    2016年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1840-0

内容

近世大名は、組織的・人的な活動を通じて多様な文書類を厖大に発生させた。
 松代真田家に伝来した七万数千点に及ぶそれらも、支配・政治・経済・産業・文化・文芸など多岐に亘る内容を有し、過去はもちろん現代・未来を語る上でも欠かせない第一級のアーカイブズである。
 本書は、真田家のアーカイブズを中心に、藩庁の全体構造や各部局の機能などについて、記録管理の観点から分析を試みたはじめての実践的な研究成果である。
 既刊『アーカイブズの構造認識と編成記述』『幕藩政アーカイブズの総合的研究』に続く、国文学研究資料館の共同研究の成果。

■担当編集者より■
図書館での書籍検索システムや史料目録の構築理論から、史料調査・整理、紙質の研究まで、一口にアーカイブズ研究と言っても、その中で行われていることは多岐にわたります。

今回の書籍は、真田藩のある部署で作られた書類が、どこに行って誰が見て、どこで保管されたのか、あるいは破棄されたのか、というざっくりいえば文書のライフサイクルから、当時の人々の動き・組織の体制等々が見えてくるところが魅力だと思います。

個人的には火消しが好きなので、大名火消しの役職交代時のやりとりを追っていく研究が興味深かったです。
まずは興味のわいた章から読んでみてください。

目次

序 章 アーカイブズ資源研究の動向と課題
(大友一雄・国文学研究資料館教授)


 第1編 藩庁の組織構造と記録管理

第1章 松代藩・国元における行政組織とその場
(原田和彦・長野市立博物館学芸員)

第2章 家老職における執務記録の作成と保存
(太田尚宏・国文学研究資料館准教授)

第3章 真田家文書からみる松代藩組織構造と「物書」役 
(宮澤崇士・長野市立博物館専門員)


 第2編 藩庁と藩庁外の記録管理システム

第4章 江戸における大名課役をめぐる引継文書と藩政文書―松代藩の所々火消勤役を事例に
(岩淵令治・学習院女子大学教授)

第5章 糸会所の記録作成・授受・管理と機能―記録管理システムと専売制
(西村慎太郎・国文学研究資料館准教授)

第6章 松代城下町町人地の行政情報蓄積様式にみる家と組織 
(渡辺浩一・国文学研究資料館教授)

第7章 松代藩代官文書の管理と伝来について
(種村威史・国文学研究資料館研究員)

第8章 官僚制機構の末端としての村―藩地域研究とアーカイブズ研究との接点 
(福澤徹三・すみだ郷土文化資料館専門員)


 第3編 大名家伝来文書群と記録管理

第9章 幕府老中職文書群に関する基礎的研究―松代藩公用方役人と文書システム
(大友一雄)

第10章 松代藩御納戸役の職掌と記録管理
(降幡浩樹・松代文化施設等管理事務所学芸員)

第11章 藩主生母の格式をめぐる意志決定の史料空間―九代藩主真田幸教生母心戒の事例を中心に 
(福田千鶴・九州大学教授)


 第4編 伝来と管理

第12章 真田家印章の使用と伝来
(山中さゆり・松代文化施設等管理事務所専門員)

第13章 真田宝物館所蔵真田家文書の管理と容器の特質―目録編成に向けた現状調査報告
(工藤航平・東京都公文書館専門員)


あとがき
執筆者紹介

関連リンク

紹介媒体

  • 『日本歴史』823号

    2016年12月

    吉村豊雄

    書評と紹介

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