幕藩政アーカイブズの総合的研究
定価
9,350 円(税込)
本体 8,500円
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幕藩政アーカイブズの総合的研究

国文学研究資料館 編

  • 体裁
    A5判上製・504頁
  • 刊行年月
    2015年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1798-4

内容

明治になって初めて導入されたと認識されてきた「近代的」な文書管理システム―
しかし、その萌芽的システムは近世後期にすでに形成されていた。吏僚制の幕藩組織において、より効率的・継続的な統治を行うために、一定水準の文書管理システムの構築は必要不可欠なものであったからである。

本書では、幕政・藩政文書それぞれの管理・伝来について具体的に検討し、各藩において文書管理の実務にあたったものたちへ焦点を当てることで、幕藩文書管理の歴史に新たな知見を示す。近世から近代へとつながるアーカイブズ研究にさらなる実証的研究を積み上げる、国文学研究資料館共同研究の成果。

目次

序 章 幕藩政文書管理史研究と本書の概要
(高橋実・国文学研究資料館名誉教授)

第1編 幕政文書の整理と管理

第1章 幕府勘定所における文書の整理と管理
(戸森麻衣子・早稲田大学エクステンションセンター講師)

第2章 長崎奉行所文書の引継ぎと管理について(高橋実)

第3章 京都町奉行所付雑色筆耕について
―文書行政と民間社会を媒介する実務者
(冨善一敏・東京大学経済学部資料室特任専門職員)


第2編 藩政文書記録の管理と伝来

第4章 善光寺地震における松代藩の情報収集と文書管理
(原田和彦・長野市立博物館学芸員)

第5章 尾張藩徳川家における文書の伝来と管理
(太田尚宏・国文学研究資料館准教授)

第6章 土佐藩山内家文書の伝来と管理
(藤田雅子・土佐山内家宝物資料館学芸課長)

第7章 熊本藩家老松井家文書の成立過程
(林千寿・八代市立博物館未来の森ミュージアム学芸員)

第8章 対馬藩における文化九年「毎日記」の引用・書き分けと職務
(東昇・京都府立大学文学部准教授)


第3編 藩政文書記録の管理・編纂担当者

第9章 弘前藩江戸藩邸における日記方の設置と藩庁日記の管理
(中野達哉・駒澤大学文学部教授)

第10章 米沢藩記録方の編纂事業に関する基礎的考察
(浅倉有子・上越教育大学院学校教育研究科教授)

第11章 近世中後期岡山藩における留方下僚の存立状況
(定兼学・岡山県立記録資料館館長)

第12章 萩藩当職所の文書管理と当職所記録方
(山﨑一郎・山口県文書館専門研究員)

第13章 鳥取藩の領知判物発給と担当役人
(来見田博基・鳥取県立博物館主任学芸員)

第14章 対馬藩における表書札方の設置と記録管理
(山口華代・長崎県立対馬歴史民俗資料館主任学芸員)

第15章 薩摩藩の藩政文書管理と筆者
(林匡・鹿児島県歴史資料センター黎明館学芸課長)

終 章 近世における文書行政の高度化と明治維新
(吉村豊雄・熊本大学名誉教授)


あとがき
執筆者紹介

紹介媒体

  • 『歴史学研究』954号

    2017年2月

    史料・文献紹介

  • 『岡山地方史研究』139号

    2016年9月

    特集 特集(合評会)

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