日本の食の近未来
定価
2,530 円(税込)
本体 2,300円
在庫状況: 在庫あり

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内容

2011年の東日本大震災で、世界的に美談として語られたのは、略奪行為を行わない日本人の姿だった。その要因は様々に考えられるが、その一つとしてあげられるのは、生活の豊かさであり、その典型が「食」である。飽食の時代と言われる現代日本において、「食の豊かさ」は今後何をもたらすのか?謳歌するだけでよいのか?本書は、このような日本の現代に疑問を感じた八名の研究者が、食文化の近未来について共同研究会を行った成果である。

目次

日本の伝統的食文化としての和食の行方 熊倉功夫(静岡文化芸術大学学長)
 
日本の食文化を歴史で区切る/和食と一汁三菜/和食の構造/和食の未来


日本における家族の変化と食生活 林在圭(静岡文化芸術大学文化政策学部教授)

家制度/家(家族)の生活/近代家族/現代家族における日常食


食空間と将来 深田てるみ(静岡文化芸術大学デザイン学部准教授)
 
住まいの変遷と食空間/近代の住宅と食空間/現代における食空間に関する調査/現在における食空間とその課題


「食のとらえ方」のパラダイムシフトを求めて 清 ルミ(常葉学園大学外国語学部教授)
-アーユルヴェーダを照射版として-
     
「食のとらえ方」の現状/提言-別のモノサシを持つ-/「楽しさ」と「愛情」の伝播


高齢者と食の満足 守屋亜記子(女子栄養大学准教授)
-韓国の高齢者福祉施設を例に- 

調査及び調査対象施設概要/韓国の食文化/施設生活における食事の時間/施設食の特徴/日常の食と特別な日の食/食べ手による施設食の取り込み方/自律的な食


鼻で食べることと目で食べること シンシア・ネリ・ザヤス(フィリピン国立大学国際研究センター教授)
 
鼻で食べる人々と目で食べる人々/見る習慣と香りを嗅ぐ習慣/自然のにおいを嗅ぐ/野生を飼いならす/大自然を食べることと大自然を再体験すること/結語:内なる自然と外なる自然-フィリピンの食と日本の食の関係-


国民食になった餃子-受容と発展をめぐって- 草野美保((財)味の素食の文化センター)
 
日本への餃子の伝来/新たな餃子の役割-ローカルな餃子と地域おこし-/海外における日本の餃子


食生活の変遷からみた日本の食の来し方行く末 米屋武文(静岡文化芸術大学文化政策学部教授)
 
わが国の食の変遷/食を取り巻く諸問題/近未来の日本人の食を考える


あとがき(米屋武文)
執筆者紹介

紹介媒体

  • 「日本農業新聞」

    2013年4月6日

    地域面(東海)

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