内容

ペニシリンの出現で「過去の病」のイメージすらある梅毒だが―。いまなぜ梅毒か。日本人は自らの身体や性、性感染症とどう対峙してきたのか。「家」・共同体・国家、さらに国際社会がどのような形でそれに介入し、その態度を変容させてきたのか。これらのテーマをめぐって専門領域を異にする研究者が行なった共同研究の成果9篇を収める。

目次

はじめに(鈴木則子)

序論 医学的見地からの日本の梅毒今昔(荻野篤彦)

Ⅰ梅毒の登場と近世社会の変化

江戸時代の医学書に見る梅毒観について(鈴木則子)
江戸時代の湯治と梅毒(鈴木則子)
養生・衛生の世界と性の陰翳(瀧澤利行)

Ⅱ近代国家と梅毒

検梅のはじまりと梅毒の言説(福田眞人)
日本最初の梅黴検査とロシア艦隊(宮崎千穂)
近代検黴制度の導入と梅毒病院(大川由美)
サルヴァルサンと秦佐八郎(金澤真希)

Ⅲ梅毒紀行

駆梅処方の変遷史話(中西淳朗)
性感染症今後の課題と展望―あとがきにかえて(福田眞人)

紹介媒体

  • メディカル朝日2005年10月号

    2005年10月1日

  • 全国保険医新聞 2323号

    2005年10月5日

    北小路博央

  • 神奈川県保険医新聞

    2005年11月5日

    荒井保男

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