川村悦子 「蓮×聯」

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ごあんない

あらゆる先入観を取り払って、もういちど掛け軸と向き合ってもらいたい――
そんな思いから今回ご提案するのは、川村悦子氏による「聯」に描かれた「蓮」です。
「聯(れん)」とは、書き初めなどに使われる半切という紙を、さらに縦半分にした大きさを言います。巾が狭いため扱いやすく収納もコンパクトで、身近にお楽しみいただけます。
今回、ぜひ「聯」に作品を描いていただきたいとお願いしたのは、情緒あふれる写実画を油彩で描く川村悦子氏でした。大きなキャンバスに油彩画を描くことが多い川村氏に、極端に細長い、しかも和紙に絵を描くという、今までにないお願いをいたしましたが、作品の出来上がりは想像を遥かに超えた素晴らしいものとなりました。蓮池や草の茂みなどの大きな空間がごく細長い聯の形に切り取られることで、描かれていない部分への想像が広がり、植物の息遣いが画面を超えて空間を満たします。
一幅でも独立する聯は、二幅、三幅と連ねればまた違った空間を展開し、その魅力は無限です。

 

現代建築では和室が減り、洋間には額装作品を飾ることが常識的になってしまっていますが、欧米ではリビングや玄関で掛け軸を楽しまれるなど、掛け軸の新しい魅力が見直されています。
掛け軸は扱いが難しい、床の間でないと合わないという気持ちからぜひこの機会に自由になっていただき、新しい美術品の形をご覧いただければと存じます。

作家プロフィール

川村悦子かわむらえつこ

1978  京都市立芸術大学西洋画卒業
1980  京都市立芸術大学西洋画専攻科修了
現在   京都造形芸術大学教授

 

(主な展覧会と賞歴)
1986  日本国際美術展/佳作賞・富山県立近代美術館賞受賞(東京都美術館)
1987  日本現代美術展(東京都美術館、京都市美術館)(’ 89)
東京セントラル美術館油絵大賞展 / 優秀賞受賞(東京)
1988  絵画、今…展(京都市美術館、三重県立美術館、埼玉県立近代美術館他)(’89, ’90)
1990  京都市芸術新人賞受賞(京都市)
1992  前田寛治大賞展招待/佳作賞受賞(倉吉博物館、日本橋髙島屋)
1994  大阪市 咲くやこの花賞 受賞(大阪市)
1998  美との対話’98「在ることへの問いかけ」(富山県立近代美術館/富山)
1999  タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞受賞
金山平三記念美術展招待/佳作賞受賞(兵庫県立近代美術館)
2004  文化庁芸術家在外派遣研修(Milano/ITALIA)(〜’05)
花物語-日本近現代絵画に見る花の表現(刈谷市美術館/愛知)
2005  富山を描く「ふるさとの美」展(富山県立近代美術館)
2008  文化庁芸術家在外研修制度40周年記念「旅」展(国立新美術館/東京)
王朝絵巻女流六人展(染・清流館/京都、古川美術館/名古屋)
2009  真澄寺別院流響院襖絵制作(京都)
2010  京都府文化賞 功労賞受賞(京都府)
2012  第25回京都美術文化賞受賞(公益法人中央信用金庫財団)
2013  第25回京都美術文化賞受賞展(京都文化博物館)
スパーク「文化庁買上優秀美術作品」展(高崎市タワー美術館)
パブリックコレクション
京都市立芸術大学/京都文化博物館/富山県立近代美術館/横浜ビジネスパーク/文化庁 京都造形芸術大学/光記念館/東京オペラシティギャラリー(寺田コレクション)