中国南北朝隋唐陶俑の研究
定価
14,300 円(税込)
本体 13,000円
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中国南北朝隋唐陶俑の研究

小林仁 著

  • 体裁
    B5判上製・438頁
  • 刊行年月
    2015年03月
  • ISBN
    978-4-7842-1790-8

著者・編者略歴

こばやし・ひとし…1968年東京都生。国際基督教大学教養学部人文科学科卒業、成城大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程前期修了、北京大学考古系留学(中国政府公費留学生・高級進修生)、成城大学大学院文学研究科美学美術史専攻博士課程後期単位取得退学、2013年帝塚山大学人文科学研究科博士(学術)学位取得。1997年大阪市立東洋陶磁美術館学芸員、2007年同主任学芸員、現在に至る。専門は東洋陶磁史、とくに中国陶磁史。第35回小山冨士夫記念賞(奨励賞)受賞。

内容

始皇帝の「兵馬俑」で知られる俑は、死者とともに埋葬される副葬明器で、中国の南北朝から隋唐時代は質量ともにその黄金期の一つである。近年各地の墓葬から続々と出土例が報告され、とくに考古学的手法による研究の蓄積が著しい。これに対し本書は、豊富な実物調査に基づいて、膨大な数の資料を造形的特質、様式の変遷、地域性などによって整理し、豊富な図版とともに美術史・陶磁史的視点からさまざまな論点を提示。分裂から統一へとダイナミックに転換する時代のなかで生じた変化と連続性を跡づけ、新たな陶俑研究の確立を目指す。

目次

序 章
はじめに/俑について/陶俑研究史序説/本書の目的

第Ⅰ部 南北朝時代の陶俑の様式変遷と地域性

第1章 洛陽北魏陶俑の成立とその展開
洛陽遷都以前の北魏陶俑/洛陽北魏陶俑に関する先行研究/洛陽北魏陶俑の特徴/洛陽北魏陶俑に関する諸問題/表:洛陽遷都後の北魏陶俑一覧/図版

第2章 北朝鎮墓獣の誕生と展開―胡漢融合文化の一側面
北朝鎮墓獣の草創期/北朝鎮墓獣の展開/図版

第3章 南北朝時代における南北境界地域の陶俑について―「漢水流域様式」試論
対象墓葬分布と歴史背景/各墓葬の概要/陶俑に関する考察/各墓葬の年代をめぐって/表:漢水流域南北朝墓葬出土陶俑一覧/図版

第4章 南朝陶俑の諸相―湖北地区を中心として
襄陽賈家冲南朝画像塼墓出土の陶俑について/武漢地区出土の南朝陶俑/図版

第5章 北斉時代の俑に見る二大様式の成立とその意義―鄴と晋陽
北斉俑の出土分布/鄴と晋陽の俑の比較/北斉俑の制作技法/二大様式成立の背景とその意義/表:北斉陶俑出土墓葬一覧/図版

第6章 北斉鄴地区の明器生産とその系譜―陶俑と低火度鉛釉器を中心に
北斉鄴地区の陶俑とその系譜/北斉鄴地区の低火度鉛釉器とその系譜/図版


第Ⅱ部 隋唐時代の陶俑への新たな視座

第7章 隋俑考―北斉俑の遺風と新たな展開
隋俑に見られる北斉の俑の影響/隋俑の新たな展開/表:隋俑出土墓葬一覧/図版

第8章 白瓷の誕生―北朝の瓷器生産の諸問題と安陽隋張盛墓出土白瓷俑
白瓷誕生に関する諸問題/安陽隋張盛墓出土の白瓷俑について/図版

第9章 初唐黄釉加彩俑の特質と意義
黄釉加彩俑の出土例/黄釉加彩俑の位置づけ/図版

第10章 唐代邢窯における俑の生産とその流通に関する諸問題
邢窯遺址出土の俑/河北唐墓出土の俑/邢窯初唐俑の流通/表:河北地区出土唐俑一覧/図版

第11章 西安・唐代醴泉坊窯址の発掘成果とその意義―俑を中心とした考察
醴泉坊窯址について/出土遺物について/出土した俑についての考察/俑の年代について/俑の制作技法について/図版

第12章 唐時代の俑の制作技法について―陶笵成形を中心に
唐時代の陶俑陶笵の出土/陶笵成形実験の概要とその成果/図版

結 語

あとがき/初出一覧/索引

紹介媒体

  • 『古代文化』68巻1号

    2016年6月30日

    市元塁

    書評

  • 『陶説』747号

    2015年6月1日

    後藤修

    新刊紹介

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