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近代日本における書への眼差し

日本書道史形成の軌跡

髙橋利郎 著

  • 体裁
    A5判・304頁
  • 刊行年月
    2012年01月
  • ISBN
    978-4-7842-1595-9

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著者・編者略歴

たかはしとしろう・・・1972年静岡県生。大東文化大学大学院博士課程後期課程修了、博士(書道学)。成田山書道美術館主任学芸員を経て、現在、大東文化大学文学部准教授。

内容

毛筆で書かれた肉筆の文字資料が、近代に「書」として位置付けられていく過程を、書道史に関する出版をはじめ、宝物調査や展覧会の列品、また文化財関連の法令から探り、近代における書道史形成の軌跡をたどる。
さらに、近代数寄者が私的に書跡を鑑賞する場について考察し、彼らを取り巻く文化環境を総合的に理解し、その書跡へのまなざしの影響の大きさを論じる。

目次

序章
書跡の評価に関する諸問題
「美術」と「書」の近代
美術史における書
書跡の位置付け
 

第一章 御歌所と仮名
一、歌と書
二、皇国の歌
   歌会始と「日本」
   御歌所の設置
   御歌所と近代短歌
   短歌の革新と御歌所
三、御歌所と書
   仮名を書くことの意味
   御歌所の歌人と古筆
   自詠歌の揮毫
   仮名の手本
   御歌所歌人の広がり
四、交錯する和歌と書


第二章 日本書道史の構築―大口周魚から尾上柴舟へ
一、大口周魚の手鑑制作と書道史観
   手鑑「月臺」と周魚
   大口周魚と書
   「月臺」の現状と制作背景
   「月臺」の特徴
   法書会『書苑』創刊の意味
   『書苑』の解説と「月臺」
   近世における手鑑の様相
   手鑑「月臺」を通して見えるもの
二、尾上柴舟と書道史
   柴舟と書
   柴舟と書道史
   柴舟の書作と理論
   周魚と柴舟の書道史


第三章 国家の名筆
一、書跡の展観と列品
   文化財関連行政と書
   明治時代初期の古美術展観における書跡
   東京国立博物館における列品としての書跡
   京都国立博物館における書の展観
   博物館の展観と書跡
二、文化財保護関係法令と書跡
   文化財としての書跡
   「古器旧物保存方」
   臨時全国宝物取調局による調査から「古社寺保存法」へ
   「国宝保存法」と宸翰の時代
   「文化財保護法」の制定へ
   法のもとの書跡


第四章 近代における書跡鑑賞の場
一、近代の数寄者と書
   近代における茶の湯と書
   茶席に見られる書跡
   古筆の影印と田中親美
   近代的な数寄者の時代
二、近代文人とそのいとなみ
   近代における文人の存在
   近代文人と中国趣味
   書籍メディアと詩文書画
   近代文人の志向


終章

巻末資料
索引
あとがき

紹介媒体

  • 「書道美術新聞」第978号

    2012年2月15日

    話題の本

  • 『墨』第215号

    2012年3月

    新刊ぴっくあっぷ

  • 「大東文化」第586号

    2012年4月21日

    西嶋慎一(書道文化研究家)

    ぶっくれびゅー

  • 『書道界』第270号

    2012年5月15日

    今月の本棚

  • 『書21』46号

    2012年6月5日

    書の本 INFORMATION

  • 『月刊美術』第443号

    2012年7月20日

    Art Book 新刊案内

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