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房総風雅史 古代・中世編

小倉光夫 著

  • 体裁
    A5判・口絵4頁、本文352頁
  • 刊行年月
    2010年07月
  • ISBN
    978-4-7842-1520-1

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著者・編者略歴

おぐら・みつお…1936年生。千葉県立千葉第一高等学校卒業。東北大学機械工学科卒業。川崎製鉄入社。川崎製鉄理事を勤む。裏千家戸田即日庵にて茶の湯を学ぶ。茶の湯文化学会会員。主要著書に,『房総風雅史』(思文閣出版,2003年)。

内容

日本人が嗜む和歌や茶道の根底にある「大和心の源流」はどこから来たのであろうか――古墳時代から室町時代まで、房総の歴史を「風雅」という切り口で見直した「新しい房総の文化史」。『房総風雅史―茶の湯の姿をもとめて―』の続編

目次

【古墳時代の文化】

房総のあけぼの
旧石器時代から縄文文化の時代へ
照葉樹林文化の北限にある弥生式文化
弥生時代遺跡からの遺物群
古代出雲国からの影響
あずま出雲東国政権の「総の国」
三世紀の初期大和王権の誕生と前方後円墳
上総の大川流域の神領域を護る神門古墳
「上海上」と「下海上」の二つのクニの成立
倭建命の百済勢力による東国遠征
春日和邇臣の武社地域への征夷進出
四世紀における前方後円墳の拡がり
統一勢力との抗争と鉄製武器の生産
五世紀に興った新しい四つの「統一国」
稲荷台古境から出土した「王賜」銘鉄剣
百済系と新羅系による二極勢力の相対
六世紀における百済系渡来文化
大和河内王権に近い「須恵国」と「馬来田国」
房総に東征軍の兵站基地が置かれる
「武射国」「印波國」に発生した後期群集墳
七世紀における古墳時代の終焉
物部小事大連による香取神社の創設
多臣流中臣氏による鹿島神社の創設
古墳終末期から中央集権国家への移行


【律令時代の文化】

律令制による漢字の普及から万葉仮名まで
多臣流中臣氏の鎌足大連が大化の改新を断行
大化の改新による国司制の制定
朝鮮半島からの百済仏教の伝来
律令時代への分岐点「壬申の大乱」
壬申の乱終焉からの大友皇子房総への脱出
大宝律令による文書行政が漢字文化を普及
蝦夷政策の兵站基地
『万葉集』収載の房総からの東歌と防人の歌
大和心の源流をなす出雲の「和魂」
山辺(部)宿禰赤人の「真間の手児名」と「田子の浦」


【平安時代の文化】

王朝貴族の「あずま下り」
上総・下総・安房三国の国守たち
藻原庄を拓いた藤原南家黒麻呂
平安文学にみる「あづま下り」
歌枕の「真間の継橋」「香取の海」「海上潟」
新羅系帰化人のもたらした妙見思想
「平将門の乱」と「平忠常の乱」
下総三崎庄の藤原定家から鎌倉文化まで
京の公卿文化から鎌倉文化への移行


【鎌倉・室町時代の文化】

千葉氏が伝えた古今伝授の風雅
源頼朝と千葉常胤の主従関係
源平の戦で活躍した坂東武者・千葉常胤
千葉氏の伝える和歌の風雅
房総に拡がる伊勢神宮御厨の荘園
南北朝の花山院大納言藤原師賢悲話
北総文化圏を残した古河公方足利成氏
房総巡遊の吟遊詩人藤原道興

 参考文献
 附録資料Ⅰ 河川流域ごとの古墳分布と国造の成立
 附属資料Ⅱ 関係系譜
 おわりに
 索引(地名・人名・名刺)

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