内容

西鶴・芭蕉研究者の著者が、ブラームス・荘子・芭蕉・タゴールなどの先哲の思想に寄り添い、『善の研究』『饗宴』や宮沢賢治の作品を読み解き、受け継がれている普遍的な思想のすがたをさぐり、今日的な課題を考える道筋の一つを提示する一書。

目次

緒言
第一部 ブラームスと芭蕉とに共通するもの
 一.ブラームスの語った神 付老子
  1ブラームスの霊感と神
  2「職人芸」「半意識状態」「瞬時の記録」
 二.老子から荘子へ
  1老子
  2列子
 三.『荘子』について
 四.『荘子』の「造化」と芭蕉の芸術
  1芭蕉における「造化」
  2芭蕉の芸術
  3芭蕉とブラームスとの共通点、並びに門弟のこと
  4西鶴について
第二部 「ウパニシャッド」の思想とその継承
 一.「ウパニシャッド」とは何か―梵我一如の思想―
  1私のウパニシャッドとの出会い
  2ウパニシャッドとは
  3初期のウパニシャッド
  4ブラフマンとアートマン(梵我一如)
  5睡眠時における霊感
  6ウパニシャッドの伝播
 二.継承者としての詩人タゴール
  1タゴールと私
  2タゴールの霊感
  3『サーダナ(生の実現)』
  4タゴールの引用した誓句とタゴールの言葉
  5『生の実現』以外の著書などから
  6タゴールの仏教観
  7まことの詩人
 三.『善の研究』に見る継承
  1『善の研究』について
  2「ウパニシャッド」との関係
  3「愛」について
  4芸術と「知的直観」
  5「人生」の研究者
  6神について
  7西田博士とタゴール
 四.『饗宴』(プラトン)のテーマ
  1『饗宴』のテーマと構成
  2「愛の女神」についての五人の演説
  3ソクラテスの演説
  4愛の女神について
 五.賢治の宇宙観と世界全体の幸福
  1作品のいくつかを見る
  2「農民芸術概論綱要」
  3賢治と宇宙
第三部 小論九篇
 一.「無心でもない」と言った舞踊家
 二.見神の女流画家
 三.ダライ・ラマ第十四世について
 四.ブラームスの霊感の実際
 五.西田幾多郎博士の「誠」の真意
 六.『宗教と霊性』を読んで
 七.西鶴・秋成の「無の見」
 八.教育についての提言
 九.忘れ難いわたくしごと
まとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加