内容

2001年11月に開催された岩倉使節団派遣130年記念国際シンポジウム「岩倉使節団の再発見とその今日的意義」のセミナーおよび公開フォーラムの報告書。近代的国家の建設をめざし明治4年から6年にかけて実行された世界周遊視察団「岩倉使節団」の全容と現在の研究情況を第一線の研究者がわかりやすく論じた好書。

目次

まえがき ―国際シンポジウム「岩倉使節団の再発見と今日的意義」について― (泉 三郎)nn第一部 セミナーnn岩倉使節団ワシントン滞在中の森有礼の役割 (I・ホール)n『米欧回覧実記』のイギリス論に書かれざる事実 (川勝平太)n『米欧回覧実記』に登場すること・しないこと ―ドイツ・オーストリア・スイスにおける岩倉使節団―  (P・パンツァー)n『米欧回覧実記』におけるロシア ―書かれなかった日露関係断片― (坂内知子)n岩倉使節団と維新前後の日本使節 ―イタリア訪問をめぐって― (岩倉翔子)n1870年代のイタリアと日本の交流におけるフェ・ドスティアーニ伯爵の役割 (S・デマイオ)nスイスにおける岩倉使節団について (持田鋼一郎)n1872年のイギリスにおける岩倉使節団について (H・コータッツィ)n『米欧回覧実記』におけるヨーロッパ像 (西川長夫)n米欧回覧にあたり岩倉具視が携帯したメモ帳とその周辺 ―欧化にともなう利害得失とその対策― (岩倉具忠)nサンフランシスコにおける岩倉使節団 ―W・C・ロールストンとカリフォルニアの金融投資家の役割― (M・コルカット)n中国系の世界地誌と『米欧回覧実記』 (銭国紅)n『米欧回覧実記』を読むために ―漢文訓読表現の難しさ― (古田島洋介)n政治と財産の発見 ―久米邦武と青木周蔵― (水谷三公)n久米邦武(岩倉使節団)とキリスト教 (山崎渾子)n岩倉使節団と小国主義 (W・F・ヴァンドゥワラ)n地球が丸くなる時 ―1870年代の世界― (園田英弘)n岩倉使節団と明治日本の科学技術 (高田誠二)n岩倉使節団から百三十年 ―「強兵」と「富国」の果てに― (泉三郎)nn第二部 公開フォーラムnn《基調講演1》福沢諭吉と久米邦武は西洋文明をどう捉えたか (芳賀 徹)n《基調講演2》ド・トクヴィル、ディケンズ、そして久米の視線 (M・コルカット)n《発言1》アメリカにおける木戸孝允 (S・D・ブラウン)n《発言2》夢から現実へ ―『米欧回覧実記』独訳にまつわる個人的なこと― (P・パンツァー)n《発言3》特異性より共通性を見よう (岩倉具忠)n《発言4》力の文明から美の文明へ (川勝平太)n《ご挨拶》『米欧回覧実記』研究のこれから (久米邦貞)n《コメント1》岩倉使節団が学んだこと、学ばなかったこと (H・コータッツィ)n《コメント2》原点に戻って考える (藤井宏昭)nnあとがき ―国際シンポジウムを振り返って考えたこと― (水沢周)n

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