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内容

西洋医学が主流を占める現代においても、中国伝等医学は静かに生き続けている。哲学者であり、北里研究所附属東洋医学総合研究所客員研究員でもある著者が、中国と日本の鍼灸の歴史を通覧し、『素問』『霊枢』『難経』など代表的な古典をわかりやすく解説しながら、その思想と特質、書誌的経緯を明らかにする。中国医学への格好の入門書である。n

目次

第一部 鍼灸医学史略

Ⅰ 中国篇
1 鍼灸医学の黎明
2 漢代から六朝にかけての鍼灸医学
3 隋・唐時代の鍼灸医学
4 宋代の鍼灸医学
5 元・明・清代の鍼灸医学

Ⅱ 日本篇
1 大陸医学の渡来
2 平安時代の鍼灸医学
3 鎌倉・室町・安土桃山時代の鍼灸医学
4 江戸時代の鍼灸医学


第二部 代表的鍼灸古典の概説

馬王堆出土「脈書」―現存する最古の経脈書―
1 馬王堆漢墓出土医薬書の概要
2 発見された二つの「脈書」
3 経脈とその流注
4 経脈の病症
5 経脈と三陰三陽

黄帝内経(『素問』『霊枢』)―中国伝統医学の原典―
Ⅰ 成立と伝来
1 『黄帝内経』の成立について
2 『素問』の伝来
3 『霊枢』の伝来
Ⅱ 〈内経医学〉の大要
1 気の生理論
2 自然界と身体
3 疾病の認識
4 診断の特色
5 治療の原則と特色
6 精神的疾患について
7 予防医学としての養生
8 医師の在り方について

難経―鍼灸医学の聖典―
Ⅰ 成立と伝来
1 成立
2 著者と書名
3 伝承
4 主な版本・注解書
Ⅱ 内容概説
1 内容の構成
2 脈学
3 経絡
4 ?穴
5 臓腑
6 疾病
7 治法

甲乙経―素問・霊枢の別伝のテキスト(1)―
1 著者と成立
2 書名と巻数
3 構成
4 版本・抄本

太素―素問・霊枢の別伝のテキスト(2)―
1 成立に関する問題
2 伝来
3 構成
4 注釈

明堂経―最古の経穴書―
1 種々の「明堂」書
2 楊上善の〈明堂経〉
3 〈明堂経〉を引く諸書
4 〈明堂経〉の内容
5 〈明堂経〉研究の意義

銅人経穴鍼灸図経―経穴学の統合―
1 成立
2 伝来
3 内容
4 銅人の流伝

鍼灸聚英―明代の代表的な鍼灸書(付:神応経、鍼灸大成―
1 著者―高武について
2 構成と内容
3 特色
4 テキスト

杉山流三部書―管鍼法の鼻祖―
1 著者―杉山和一
2 〈三部書〉の概要
3 杉山流鍼術の特色

鍼灸則―古方鍼の源流―
1 江戸時代の復古思潮と東洞の医説―『鍼灸則』誕生の背景―
2 菅沼周桂の基本姿勢
3 『鍼灸則』の構成と内容

鍼灸説約―漢蘭折衷の鍼灸書―
1 著者―石坂宗哲
2 『医源』に見る宗哲の考え方
3 『鍼灸説約』の内容

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