チュウセイシリョウトノカイコウ

中世史料との邂逅

室町・戦国・織豊期の文書と記録

村井祐樹 著

  • 体裁
    A5判・580頁
  • 刊行年月
    2024年05月
  • ISBN
    978-4-7842-2083-0

著者・編者略歴

1971年生。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。東京大学史料編纂所准教授。編著書に『音羽山清水寺中世文書』(東京大学史料編纂所研究成果報告2023-1、2024年)、『六角定頼』(ミネルヴァ書房、2019年)。『戦国大名佐々木六角氏の基礎研究』(思文閣出版、2012年)ほか。

内容

寺社・個人・公的機関等、延べ1300件以上の史料所蔵者を訪ね歩いた著者が、様々な機会に、合縁奇縁に出逢った様々な史料たち。その中から特に印象深かったものを選び、読解・分析し、未知の事実を浮かび上がらせ、そして何よりも史料自体の面白さを伝えるためにまとめた一書。インターネットオークションで幸運にも落札した秀吉宛書状や、「ついで」の筈の調査で掘り当てた大量の秀吉朱印状、はたまた足かけ十年におよぶ執念で辿り着いた湯原氏関係文書など……、多岐にわたる史料を検討し、新知見を提供する。
書籍内附録および附編として、明智光秀の初出記事が話題となった『針薬方』の表裏すべての写真・釈文を掲載したほか、佐々木六角氏関係史料を収録。

目次

犬歩当棒記―序章、のようなもの

【本編】
第一章 南北朝期室町幕府における将軍足利義満の水論裁定―湖東の一用水相論から/附・柿御園山上郷用水沙汰記録
 〔附録〕柿御園山上郷用水沙汰記録 翻刻
第二章 戦国期における六角氏と小笠原氏との関係について―成簣堂文庫蔵「小笠原文書」より
第三章 「管領」就任降の六角定頼―当時天下の執権
第四章 三好にまつわる諸々事―『戦国遺文 三好氏編』より
第五章 松永弾正再考―京都におけるその勢威
第六章 幻の信長上洛作戦―出せなかった書状/新出「米田文書」の紹介をかねて
 〔附録Ⅰ〕針薬方・独見集 写真と翻刻
 〔附録Ⅱ〕針薬方・独見集紙背文書 写真と翻刻
補論一 織田政権期の播磨国人間嶋氏の文書
第七章 秀吉の報・連・相―中国攻めをめぐって
 〔花押集〕
補論二 本能寺の変直後における秀吉の預物対策
第八章 戦国期湯原氏の動向について―地方武士の苦闘/「湯原家文書」原本による分析
第九章 毛利輝元と吉川家―三本の矢その後
補論三 初期秀吉政権と材木
補論四 堅田文書に遺る秀吉関係書状二通

【附編】
附編一 『戦国遺文 佐々木六角氏編』続補遺
附編二 戦国時代佐々木六角氏関係記録史料集(稿) 補遺

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