ポジャギとチュモニ展

先日、高麗美術館の新春企画展「ポジャギとチュモニ展」を見に行ってきました。
写真1
「ポジャギ」とは、ものを包んだり覆ったり飾ったりする四角い布のことで、
日本でいう風呂敷やふくさ、ふきんに相当する役割をもつものです。
朝鮮時代の18世紀頃からさかんになったとされ、「袱(ポク)」とも呼ばれたポジャギは、
「福(ポク)」に音が通じることから、幸せを呼ぶものと伝えられてきました。
一方「チュモニ」とは、袋物のことを意味します。
このたびの展示は、韓国刺繍博物館のコレクションと高麗美術館のポジャギ計85点に、
現代作家の作品15点を加えた総計100点の品々が紹介されていました。
写真2
ちらしのポジャギは、端切れを縫いつなぎ一枚の布に仕上げるパッチワークのポジャギで、
「チョガッポ」と呼ばれるものです。展示説明にもありましたが、
パウル・クレーやモンドリアンの抽象絵画ともどことなく重なりました。
モノトーンで落ち着いた風合いの麻のチョガッポが白磁とともに展示されていた場面が
あったのですが、調和の美しさに思わず足をとどめ長く見入ってしまいました。
左側の水色の袋は、お土産に買ったチュモニです。
対象物に精魂を込めることは、一種の誠を尽くす行為とみることができ、
真心を込められた対象は招福の媒介になる、という俗信が印象的でした。
小さな端切れも大事につかい、布をいとおしんだ古人の精神、幸せを願う心。
真心から生み出された表現に、心動かされたひとときでした。
(平野)