私の古寺巡礼

思文閣出版古書部の嶋根です。しばしお付き合いのほど、お願い申し上げます。
亀井勝一郎の『大和古寺風物誌』や白洲正子の『私の古寺巡礼』『十一面観音巡礼』を
バイブルとする私は休みを利用していろいろな寺社仏閣を訪ねました。
その中でも印象に残った名刹をご紹介します。
常照皇寺 じょうしょうこうじ  
京都市右京区京北井戸字丸山14-6
走り屋と地ビールで有名な周山街道にある「道の駅 ウッディー京北」からそう遠くない場所にある静かな名刹。
1362年(貞治1)に光厳法皇によって開かれたお寺で、臨済宗天竜寺派に属する禅宗寺院です。
鮎のハイシーズンで太公望が糸を垂れる上桂川沿をしばらく走ると、細い脇道がありその奥に
静かな参道があります。
鬱蒼とした参道には木漏れ日が心地よく揺れ、鄙びた雰囲気が漂います。
山門近くの四阿で休んでいると、上桂川の漁協の皆さんが鮎釣客のパトロール(遊魚券不所持など)の途中に昼食に立ち寄られました。
鮎釣りの太公望諸氏は心構えまで君子らしくトラブルは少ないようで、もっぱら不漁の愚痴のお相手だそうです。近年は天然鮎といっても実際は各地の漁協の放流と保護活動によって支えられているようです。
しばらく地元のお話や上桂川の鮎の管理のお話を伺った後、「地元の大事なお寺さんやからお供えいっぱい頼むでぇ~」との別れの言葉を名残にいざ入山。
常照皇寺参道 
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木漏れ日がちらちらと美しい参道ですが、やたらと大型のトカゲが多く、私の心もオロオロと揺れてしまいます。
急斜面にそびえる勅使門
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急な石積みの階段の上に勅使門が。
法衣や直垂・直衣を召した貴人が登るには急すぎる階段ではないだろうか・・・。
檜皮に着生する桧
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立派な築地塀には桧皮の屋根がのっていますが山の気のせいか苔蒸していて、さらに桧や羊歯が着生していました。
茅葺の方丈
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門をくぐるとそこには茅葺の方丈が。「まんが日本昔話」に出てくるような入母屋のずっしりとした構えです。
山中に在って湿気が多いのに茅葺とは維持管理が大変だろうなと考えると感慨深いものがありました。
方丈より開山堂を望む
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上掲の方丈の奥には開山堂があります。
薄暗い上に塼敷(瓦状のタイル)なのでとても涼しく荘厳な雰囲気が支配する。
拝観者は他におらず、静寂に包まれ現代人がいかに電子音と映像・画像に苛まれて生きているかを痛感しました。桜が有名な禅刹ですが夏や冬など静かな時期がおススメです。とにかく禅寺は静かで人が居ないのが一番だと思います。
(嶋根)