虫干し

そろそろ梅雨も明けそうな気配がしてきていますが、
我々が扱う古美術品にとってこの時期特に気を付けたいのが「湿気」と「虫」です。
私が所属する古書部は主に古典籍を扱っていますが、
一番の大敵とも言っていいものが本を食い散らかす「虫」です。
その虫は「紙魚」(シミ・この虫は表面をなめるように食べることはありますが穴は開けません)
という虫と勘違いしがちですが、
「死番虫」(シバンムシ・「死の番人」から来た名前らしいです…)
という恐ろしい名前の虫です。
トンネル状に縦横無尽食い荒らし、卵を産んで飛び立つというスパイラルで、
放っておくと本がガッチガチに固まって開かなくなることも往々にしてあるほどです。
しかもこの死番虫、現在の紙や洋紙よりも和紙のほうが美味であるのか、
それとも柔らかくて食べやすいのか、好んで食べているように感じます。
せっかくの珍しい和本でも死番虫に食い散らかされては価値が下がって、
ひどいと商品にすらならないこともままあります。
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弊社では和本を仕入れるとまず業者さんに依頼し「燻蒸」に出します。
この虫は成虫になれば市販の「燻煙剤」でも死ぬらしいのですが、
卵は頑丈な殻でおおわれており市販のものでは死なないとのことで、
ちゃんと免許を所持した方がおられる業者さんに強力な薬剤で殺虫・殺菌してもらうのです。
一般的にはいわゆる「虫干し」(曝書・曝涼とも)と呼ばれる方法が良く言われます。
以前は夏の土用の日前後に行うと良いとされてきましたが、
近年では季節は秋頃、乾燥していく時期で二日以上晴天が続いた次の日に行うのが良いそうです。
そして直射日光に当てず、通気をよくし湿気を取り払い虫やカビがつかないようにするそうです。
量が多いと虫干しも一苦労ですが、
虫が付くともっと大変なことになるので和本をお持ちの方は是非行っていただければと思います。
ちなみに虫食いがあるからといって全く売れなくなるわけではありません。
もし虫食いが多くて捨てようかと思っている方がいらっしゃいましたら、
是非弊社までご一報をお願い致します。
(お力になれない場合もありますがその際はご寛恕下さい。)
(阿部)