727

新幹線の車窓から見える野立て看板の中で一際異彩を放つ「727」。
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深夜の教養番組「タモリ倶楽部」においても取り上げられた実績があるので
ご存じの方は意外と多いが「727(セブンツーセブン)」という化粧品の会社である。
社長の誕生日がそのまま社名になった非上場会社で、
主にコスメティック関連の商品を理容室に卸すのが主力の事業のようだ。
先日京都から東京への新幹線移動の際に、眠れない諸事情があったので、
727看板をただただ数えてみた。
名古屋を過ぎて豊橋、浜松近辺までは順調にその数を加算していけたが、
なぜか掛川を過ぎると全く姿を消してしまったのである。
「727」のみでなく、野立て看板の数で拮抗する「ローズテクニー」も
ほぼ同時に見られなくなり、地元企業の野立て看板しか存在しない状況に私は不思議な違和感を覚え、
そう思って目を凝らしていたものの、
次に姿を現わしたのは静岡神奈川の県境を越えて相模川近辺すなわち平塚市であった。
「静岡の大半の地域で727が存在しない!」という現実は山手
(上りの東海道新幹線での左側E席からの車窓)だけなのか?
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好奇心に駆られた私は、当然復路の下りはA席に陣取って海手を検証してみた。
最初の登場は新横浜を過ぎて、恐らく茅ヶ崎付近だろうと思われ、
平塚あたりで一旦姿を消す。
そして上りとは逆に掛川駅を過ぎてからまた加速度を増して登場するのである。
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小田原~掛川の間で一体どのような理由があって「727」が存在しないのか?
全区間がのぞみの通過区間にあたるため、
費用対効果が低いと考えた広告主727側からの要請によるものなのか。
それとも県の条例で住宅地(比較的人口密度の高い都市が連続するから?)に建ててはならないとか、
景観(主に熱海や富士山?)に配慮してということなのか。
しかしいずれの仮説もよくよく考証してみると論拠としては弱い。
この現実は京都に着くまで私の頭を離れることはなかったが、
京都駅のホームに降りると「別にどうでもええっちゅうねん!」と自問自答した。
ただ一つ言えるのは、
それくらい古美術商は新幹線の中で眠ることも席を離れることも容易に出来ないという事実は
不変であり、普遍なのだ。
(入江)