屏風祭

京都の町にも蝉の声が轟き始め、夏の盛りを迎えようとする今日この頃。
7月初めから続いていた祇園祭も終わりに近づき、祭囃子の喧騒が既に懐かしく思われます。
ご存知の方も多いでしょうが、祇園祭には、クライマックスである宵山や山鉾巡行だけでなく、
町の人々が、町家の店の間に屏風を立て巡らし、
親戚知人を招いたり、通りを歩く人たちに見せたりする習わしがあります。
これを「屏風祭」と呼び、美術愛好家の中には、
むしろこちらの方がメインイベントである方も少なくないのではないでしょうか。
屏風祭3
奇しくも私は、都合により宵山には会場に行けず、
悲嘆に暮れていたところに見つけたのが「紫織庵」でした。
屏風祭1
紫織庵は江戸後期に建てられた医院を、
大正15年、豪商・井上利助氏がフランク・ロイド・ライト様式に増改築したもの。
その後、川家の住宅として使われ、「川家住宅」として京都市の指定文化財にもなっています。
屏風祭2
武田五一(京都帝国大学教授)が
フランク・ロイド・ライトの建築を参考にして建築した洋間
現在は「京のじゅばん&町家の美術館」として、500円で入場できます。
幸いここでは、一年を通じて祇園祭期間中と同様の『屏風祭』を再現、公開されていました。
京都の町屋という空間に、
今尾景年の孔雀図屏風や近代名家貼交屏風、洛中洛外図屏風、
塩川文麟の掛軸などが飾られている様子は
美術館などの展示とは異なる自然な趣で、なかなか得がたい体験でした。
展示品のほとんどは撮影禁止であったために、
皆さまにお見せすることができないのが残念です。
紫織庵(http://www.shiorian.gr.jp/index.htm
※8/4 祇園祭の記述に関して、誤解を招く表現がありました。お詫びして訂正いたします。
(村山)