軸のなかの古新聞

この仕事に従事してから実際に手に取る機会が多いのが、書画の箱の中に納められた古新聞である。
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作品そのものが時代を越えた生き証人であるならば、
緩衝材として詰め込まれた新聞紙もまたその来歴を雄弁に物語る脇役である。


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ここにあるのは昭和ヒトケタ代の三大紙の地方版。
性病やら泌尿器科の広告がやたら目につくのが時代背景を感じさせるが、
下着泥の被害者のメイドが実名で報じられたり、
姫路署の敏腕刑事の転勤情報など今では信じられない個人情報が飛び交うセンセーショナル。
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以前深夜番組で故中島らも氏が大正時代の新聞の人生相談に真面目に答える企画があった。
それ以来古新聞は必ずチェックしているが、
このような資料から戦前の日本がどんなに底抜けに明るかったのかを今不思議な感覚で知ることが出来る。
戦後世代は何かと否定する戦前ではあるが、決して暗黒の時代ではなかった。性病が多いのはともかく……。
そんな記事に巡り会えるのもこの商売の醍醐味。
(入江)