茶の湯釜にみる朽ちの美

京都散策にはいい季節になってきました。
今回は、ガイドブックにはあまり取り上げられないスポットをご紹介したいと思います。
三条通を烏丸から西へ歩いていくと、
オフィス街の雰囲気とは違った町並みがあらわれます。
しばらく進むと南側に、大西清右衛門美術館が見えてきます。
現在、こちらでは「茶の湯釜にみる朽ちの美」展を開催中です。
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大西家は室町時代後期より400年続く釜師で、
千家十職のひとつに数えられ、昔ながらの製法で釜を作っています。
代々清右衛門を名乗り、当代で16代目。
工房に併設された美術館は、大西家伝来の貴重な茶釜が展示されていました。


今回の展示テーマは「朽ちの美」。
鉄でつくられた釜は、いつか朽ち果ててしまうものですが
先人たちはその朽ちてゆく姿のなかにも美しさを見出しました。
かたちの崩れてしまった釜のひとつひとつが、
侘びという日本固有の美意識を感じさせる、そんな展示となっています。
いわゆる観光コースからは少し外れているため、あまり知られていないようですが
京都の京都らしさを体感するにはぴったりのスポットだと思います。
ちなみに、大西家のある三条通から北にのびる「釜座通」の名前の由来は、
釜をつくる人びとが集住していたことからきています。
この地には、古くは平安時代より鍛冶をおこなう鋳物師が住んでいたようで、
京都の長い歴史を感じさせる場所でもあります。
この企画展は12月まで開催しています。
紅葉の季節、京都にお越しの折はぜひ立ち寄ってみてください。
大西清右衛門美術館
平成22年度秋期企画展「茶の湯釜にみる朽ちの美」
2010/9/3(金)~12/23(木・祝)
10:00~16:30(入館は16:00まで)
(松本)