ようの美最新号 小特集・人形

現在、ぎゃらりぃ思文閣では、ようの美其の65号を制作中です。
今月は巻頭に小特集として、木彫やブロンズ、陶製や衣装人形を含めた「像」を中心に、
人形作品を15点ほど集めました。
今回はそのうちの人形作家の一人、平田郷陽について紹介したいと思います。
初代の郷陽は、写実技法を駆使した活き人形師として、高い評価を得た人物です。
現在、私達が平田郷陽と呼び慣らしているのは二代目に当たりますが、
二代郷陽もまた、少年時から父について、活き人形制作の技法を学びました。
解剖学を知り、デッサン力の基礎を身につける必要のある初期段階において、
活き人形制作の現場は、最も恵まれた環境にあったと言えるでしょう。
その甲斐あって、創作に移った後も郷陽の作る人形は、
いかにデフォルメを加えられても、全体としてのバランスが損なわれることがありません。
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郷陽の人形は古典に取材したもの、あるいは現代風俗を活写したものと様々ですが、
童子をモチーフとした作品も数多く手掛けています。
幼い子供の無邪気な仕草は、作者である郷陽自身も楽しみながら制作しているためか、
生き生きとした軽快な趣があり、見る者の心をもほころばせてくれるような
大変魅力に富んだものになっています。
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「人形作りは、常に人形に心が宿ることを願いつつ、その芸に専心するものであり、
 たとえその素材は物質であろうとも、作品が魂のすみかとなることこそ、私の本望であります。」
(『人形芸五十年 平田郷陽』昭和51年4月10日発行:講談社 より)
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平田郷陽作、赤く熟れた柿を頬張る子供が愛らしく表紙を飾る ようの美65号は、9月上旬にお届けする予定です。
(蒲)