画家岸田劉生の軌跡 -油彩画、装丁画、水彩画などを中心に-

「麗子像(麗子微笑)」(東京国立博物館蔵)で広く知られる岸田劉生。
神戸は六甲アイランドにある美術館、神戸市立小磯記念美術館で、
現在「画家岸田劉生の軌跡 -油彩画、装丁画、水彩画などを中心に-」が開かれています。
この展覧会は、茨城県の笠間日動美術館が所蔵する劉生の作品から選ばれた作品、約120点を展示しています。
東京や湘南の鵠沼に住んだ時代の洋画(麗子像も、この時代です)は、
比較的ひろく世の中に知られるところでしょうが、
今回の展示でおもしろいのは、京都・鎌倉時代の劉生の日本画、そして
彼が絵画と同じように情熱をそそいでいたという装丁の作品が数多く展示されているところです。


この展覧会を見ていると、岸田劉生を「洋画家」としてくくるのは、
あまりに一面的であるように思えます。
布のキャンバスでも板でも紙でも絹でも本の表紙でもあるいは陶器でも、
彼が筆を下ろせるところは、どこでも表現の場になったのでしょう。
特に驚いたのは、彼が手がけた装丁の多さです。
交流の深かった「白樺」周辺の仕事が多いのですが、
きっとまだまだ知られていない劉生の作品が、世の中には埋もれているのでしょう。
岸田劉生という画家にさらに興味をかきたてられること請け合いの展覧会です。
9月12日まで開催しています。
(岸本)