嵯峨大念仏狂言

新入社員の柿田と申します。
以後、よろしくお願いいたします。
春らしい陽気となった14日日曜日、嵯峨の清凉寺にいってまいりました。
清凉寺では、境内の狂言堂にて、毎年4月半ばに大念仏会とあわせて嵯峨大念仏狂言が上演されます。
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嵯峨大念仏狂言は、壬生狂言、閻魔堂狂言とともに三大念仏狂言に数えられ、
鎌倉時代に円覚上人が、集まった民衆にわかりやすいよう身振り手振りを交えて
教えを説いたことが始まりと伝わります。
鉦(かね)と太鼓、笛によるお囃子の他は、終始無言で演じられるとてもシンプルな仮面劇ですが、
時におかしく、時に勇壮に、時にほろりとさせる、あたたかみのある伝統芸能です。
この日の演目は、あるお寺のご本尊と参拝にきた母娘のお話「釈迦如来」、
牛若丸と弁慶の出会いの場面を描いた「橋弁慶」、
そして、閻魔大王率いる鬼たちと、お地蔵さまに守られた餓鬼とが相撲をとる「餓鬼角力」の3本でした。
中でも最初の演目「釈迦如来」は、ご本尊が、参拝にきた美しい母親を見て嬉しそうに動き出し、
おかめ顔の娘には背中を向けて、遂には母親と肩を組んでお寺から出て行ってしまう、という
なんともユーモラスなお話でした。
そんな狂言を楽しんだ後には、生前のお釈迦さまの姿を写したと伝える清凉寺本堂のご本尊も、
なんだか身近に感じられました。
ところで清涼寺は、あの光源氏のモデルとなったという源融の別荘地に創建されたお寺です。
この春の時期と秋の年2回、その源融に似せて作られた阿弥陀如来像が特別に公開されています。
たくましい体躯に切れ長の目、通った鼻筋にきゅっと結ばれた口元、なるほど美男でいらっしゃいました。
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賑やかな渡月橋界隈を少し離れ、穏やかな休日となりました。
桜のあとはどことなく寂しい気がいたしますが、気づけばもう若葉が元気よく茂っています。
豊かな自然と多彩な年中行事に、季節の移ろいを感じる日々です。
(柿田)

新入社員のご挨拶

こんにちは、新入社員の曽根と申します。
今年度は、私を含めて計5人が思文閣に入社いたしました。
さまざまな古美術や作品に触れ、多くの人にその美を伝える一助になれるよう努めてまいりますので
どうぞ、よろしくお願いいたします。
さて、先日、京都国立博物館で開催されている狩野山楽・山雪展に行ってまいりました。

「京都の狩野派は濃い。」とのキャッチコピーのとおり、障屏画、絵巻や掛軸などに、
漢画から、金碧の華やかなものや微笑んでしまうようなユニークな作品まで、多彩な作品が出品されています。
桃山時代や江戸時代初期の勢いと力強さを多くの実作品から感じ、やはり面白い時代だなと改めて思いました。
源氏物語の葵帖での、六条御息所と葵の上の従者が見物場所をめぐり騒動となった場面を描いた、
山楽筆の《車争図屏風》が出品されています。
野次馬の人々や驚き走り出す人々が表情豊かに、そしてまさに今動き出さんばかりに描出されており、
非常に細やかに描かれた人ひとりひとりの顔や動作を、ケースの前で見入ってしまいました。
約400年前に、山楽・山雪たちがどのように描いていたのか…そのようなことに想いを馳せた一時でした。
京都国立博物館のみでの開催で、会期は来月5月12日までだそうです。
とても分厚い図録もまた見応えがあります。
足を運ばれたらいかがでしょうか。
(曽根)