円成寺

はじめまして。新入社員の水科と申します。
入社してから一ヶ月、学ぶことばかりの日々をすごしております。
皆様、どうぞよろしくお願い致します。
先日、休日を利用して奈良の忍辱山円成寺を訪れました。
円成寺2
京都から近鉄線の電車に揺られ、近鉄奈良駅から路線バスに揺られ、
車窓から風景を眺めつつ、時折うたた寝をしながらのんびりと。
境内に入り、本堂をじっくり堪能した後は、目当ての多宝塔へ。
多宝塔には、運慶作の大日如来坐像が安置されています。
この大日如来坐像を製作した運慶は20代半ば。
製作期間は約11か月間といわれており、仏像の製作期間としては異例の長さだそうです。
このお像と相対していると、並々ならぬ思いや緊張感が伝わってくるようでした。
自分と同じ年齢程の運慶に、無言の激励を受けたような気がして、
気合を入れ直した帰り道でした。
新緑の季節、皆様も20代の運慶に会いに出かけてみてはいかがでしょうか。
(水科)

花のみなもと

こちらではもう割と葉桜になってきていますが、
「一目千本」といわれる桜の名所・吉野ではそろそろ見頃を迎えているようです。
そこで、この京都の地から吉野の桜に思いを馳せて、一首。
むかしたれかゝるさくらのはなをうへてよしのをはるのやまとなしけん(九条良経)
この歌は建久元(1190)年9月に披講された「花月百首」の巻頭歌です。
「花月百首」は、同年2月に没した歌人・西行への追悼の意を込めて、
西行の愛した花と月を主題として詠んだ歌を五十首ずつ、計百首を詠んだ百首歌で、
ここに挙げた九条良経の他、藤原定家や慈円、寂蓮も百首歌を披講しています。
その中で良経の花五十首は、西行への追悼だけでなく、花が咲いて散るまでの時の移ろい、
そして、それに寄せる人の思いの移ろいが歌の配列によって表現されているのがわかります。
つまりは、この歌から花の五十首がはじまり、以降、桜に対する思いを乗せた歌が、連綿と綴られる。
それを念頭に置いて、改めてこの歌を見てみると。
日本人は桜の美しさ、儚さに魅せられ、そこに自分の喜怒哀楽を寄せて歌を詠み、
桜に対して特別な思いを抱いて愛でてきた。
この、日本人の中に連綿と受け継がれてきている桜に対する愛着も、
遠い昔、誰かが桜を植えはじめ、そこに多くの人が共感を寄せなければはじまることはなかったのだ・・・。
一見単純素朴に見えるこの歌が、花五十首のはじまりに配されることによって、
桜に思いを寄せる日本人の心の「みなもと」に対する素直な感動がそこに表現されている、
そんな風にも解釈できるような気がします。
そして良経さんがこの歌を詠んでからおよそ800年。
やはり21世紀に生きる我々も、桜が咲いたと聞けば老若男女問わず花見に押し寄せ、
様々な世代・ジャンルの歌手によって歌われる桜の歌に感動する。
この歌を見ていると、桜を愛でる日本人の営みにもはじまりがあり、
連綿と受け継がれてきた時の流れの上に、今の自分の感動があるのだということをつくづくと実感します。
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(藤田)

梅と桜

こんにちは、はじめまして。
新入社員の鈴鹿と申します。
4月初めに思文閣に入社し、社会人1年目として学ぶことばかりの日々を過ごしています。
入社から一週間が過ぎ通勤にも慣れてきましたが、少し嬉しいことがありました。
通勤途中に桜並木があり、ようやく桜が満開になったのです。
角を曲がり一面に桜がぱっと見える瞬間が最近の楽しみになりました。
cherry.jpg
今年は寒い日が続き、桜の開花は遅くなりましたね。
開花宣言もまだ遠いある寒い日に友人が
「春を見つけた!桜がもう咲いてた!」
とやや興奮気味に携帯で撮った写真を見せてきたことがありました。
時期を考えると梅の花なのですが、彼女は桜だと言い張ります。
そういえば私も桜と違いをちゃんと説明できない事に気が付き、少し調べてみました。
桜と梅はどちらもバラ科・サクラ亜科・サクラ属だそうで、よく似ていますが少し違いがあるようです。
桜…花枝(花のすぐ下につく枝)がある
  花びらの先が割れている
梅…花枝がないので枝に直接花が生えているように見える
  花びらの先が丸い
  枝に花が散らばって咲く
以上のような点が異なるそうです。
花びらの形は日本の文様でもその通りになっていますね。
  文様1   文様2
梅の花は散ってしまった地域が多いでしょうが、桜を見かけたら一度観察してみてください。
(鈴鹿)

「森田りえ子日本画展」開催中です

今日、4月14日(土)より、
オマーン展帰国記念 『森田りえ子作品集』出版記念「森田りえ子日本画展」が始まりました。
思文閣本社、ぎゃらりぃ思文閣の2会場で開催しております。
本日は、夕方からレセプションも開催。
レセプション
森田先生、ご挨拶の様子
森田先生
たくさんのお客様に足を運んでいただき、レセプションは盛況のうちに終了致しました。
ご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。
「森田りえ子作品集」はこちら。
森田りえ子作品の、初の集大成的書籍です。是非ご覧下さいませ。
森田りえ子展(本)
森田りえ子日本画展は、今月22日(日)まで開催中です。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

新入社員のご挨拶

こんにちは、新入社員の井上です。
2012年度は、私を含め計4名が、
思文閣に新しく入社いたしました。
どうぞ宜しくお願い致します。
今回は私がブログにて、足を運んだ展覧会について書かせて頂きたいと思います。
まだ寒風が残る季節ですが、
同志社大学や京都御苑の側を通り過ぎ、道の奥へと少し足を伸ばして
樂美術館へ行ってきました。
現在開催中なのは、『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
樂家初代の長次郎から、現在活躍中である15代吉左衞門までの
歴代当主によって作られた、茶道用茶器が展示されています。
また、特別公開の作品として、
千利休の娘婿、万代屋宗安が所持していた黒樂茶碗と、
本願寺伝来として名高い黒樂茶碗の「唐衣」、二つの名器を見ることができます。
作品を拝見し、侘びの粋を感じたのはもちろんですが、
個人的に特に感動したのは、樂家の「手捏ね」製法です。
樂焼き、という言葉から連想された方も多くいらっしゃると思いますが、
「手捏ね」とは、ろくろを使用せず、手とへらのみで焼物を作ることです。
展示されている茶碗のひとつひとつは、小さく美しく佇んでいますが、
それは、人の手に包まれて作られたことを、まさに伝えてくれているようです。
忙しい現代に生きていると、
ついつい、先人の一人ひとりから時代を受け継いできたということを忘れがちです。
そんな中、何百年も前から現代まで伝わる温もりを目の当たりにすることで、
自分自身も、大きく永く続く、流れの一部であるということを感じられたような気がします。
そろそろ陽気が気持ちよくなり始める季節。
皆さんも是非、樂美術館に足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
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・展示会名:『樂歴代の名品 秘蔵の長次郎を見る』
・会期:平成24年3月10日(土)~6月24日(日)
・場所:樂美術館
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新入社員として、先輩方から教わることばかりの毎日が始まっていますが、
代々続いた樂家のように(と言ってはおこがましいですが…)
時代を継承する精神を引き継いでいけるよう、尽力して参りたいと思います。
(井上)